アフリカ、マラウイでバスにはどう乗る? | ミニバスの乗り方

リンビ行きミニバス ビジネス
リンビ行きミニバス
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アフリカ、マラウイでの庶民的な交通手段の一つとして「ミニバス」があります。ミニバスを使えば市内などの短距離移動だけでなく、都市間の長距離移動にも使う事ができます。しかも安いです。
この便利なミニバスについて、乗り方や料金システムについて書いてみようと思います。

私は今現在(2020年2月)マラウイの都市部に住んでいますので、私の生活ベースで経験した事をお伝えしたいと思います。
なので、農村部や他の地域とは料金体系が少し異なったりしますので、それを踏まえて読んで頂けると嬉しいです。
基本的な乗り方についてはまらういこどこでも一緒だと思います。

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アフリカ、マラウイのバス

人でいっぱいのミニバス

マラウイでバスというとやはり「ミニバス」(minibus)ではないでしょうか。
バスといっても、いわゆるワゴン車で、ほとんどが日本から輸入されてくる中古車が利用されています。都市内の移動はもちろん、村から村に移動する時や、都市から都市へ移動する際にも利用できます。

ミニバスは1人のドライバーと1人コンダクター1人で運営されています。ドライバーは運転をし、コンダクターは客引きと料金徴収などお客さんの対応をします。

日本の中古ワゴン車をマラウイへ輸入後、後部の荷台部分に3~4列でシートを取り付けています。路線やドライバーのさじ加減(?)によって、1列に乗客4人×4列+コンダクター1人で17人、それに前の座席に乗客2人+ドライバー1人で、計最大20人が一つの中古ワゴン車に乗る事があります。
一列に4人が座るとかなり密着しますし、一人でも大きな人が乗ってくるとかなり苦しかったりします…そのまま長距離乗る事になるとかなりしんどかったりします。
マラウイでは「横幅」のある女性が多いですからね。

それでは、ミニバスにはどのように乗ったらよいのでしょうか。

アフリカ、マラウイのバスの乗り方降り方

サリマ行のミニバス

ミニバスへの乗り方は3通りあります。

  • バスステージから乗る
  • 通りすがりのを捕まえて乗る
  • バスデポから乗る

ミニバスの路線は市内・市外に数多くあります。
初めて乗る場合はどういう路線でどれくらいミニバスが走っているのか全くわからないと思いますので、現地の人に聞くのが早いと思います。

バスステージから乗る

基本的にミニバスは「バスステージ」(Bus stage)と呼ばれるバス停を経由しながら走っています。
都市部だとバスステージにステージ名の書いてある看板が立ててあって、乗り場が認識できるのですが、それ以外だとなかなかどこだかわかりません…ほぼカンです。
ですが、バスステージでなくてもどこでも乗せてくれるので、乗る時は特に気にしなくて大丈夫です。

どこ行きのバスなのかは、フロントガラスのところに乗せている看板でわかります。

行先案内板

もしくは、ミニバスの窓からコンダクターが顔を出して行先を叫んでいますので、それを聞いて判断します。

通りすがりのを捕まえて乗る

ミニバスは基本的にどこからでも乗せてくれます。クラクションを鳴らしながら走っていたり、バスの行先を叫んびながら走ってくるので、それを止めて乗ります。
止め方は特に作法はなく人それぞれですが、私はいつもアイコンタクトで止めています。

バスデポから乗る

都市部やある程度規模の大きい街には「バスデポ」(Bus depot)と呼ばれるバスターミナルのような場所があります。
バスデポからは短距離のミニバスだけでなく長距離のミニバスに乗る事もできます。
色んな行先があったりするので、目的のミニバスを探すには、その辺にいる人に聞くの早いです。
大きなバスデポだと案内人のような役割をしている人もいるので、行きたい場所を教えれば、その場所に行くミニバスを教えてくれます。

アフリカ、マラウイのミニバス料金

料金は場所によって相場が違いますので一概にお話しする事が難しいのですが、だいたい以下のような感じになっていると思います。

  • 市内:MK200~400(約30円~60円)
  • 市内⇒市外近隣:MK500~1,000(約75円~150円)
  • 中距離(50km~100km):MK1,000~4,000(約150円~600円)
  • 長距離(100km~):MK4,000~(約600円~)
    <円換算は全て2020年2月レート>

距離に依らず、相場が地域によって違うので何とも言えないところなのですが、ざっくりとこんな感じだと思います。

料金で気を付けておきたいのが、日本のバスのように乗った距離で料金が決定されないところです。
始発のステージやバスデポから乗った場合は、終着点(もしくは一定区間)までの料金を払わなければなりません
もしA地点からB地点に行くのに、A~C地点行きのミニバスに乗った場合、C地点まで行く分の料金を払わなければなりません。
なので、以下のようなルートの乗客1と2は同じ料金を払う事になります。

乗客1:A地点始発で乗車⇒B地点通過⇒C地点終点で下車(MK400)
乗客2:A地点始発で乗車⇒B地点で下車(MK400)

何とも納得がいかないシステムではあるのですが、乗車券のようなものは無いので仕方ないような気はします。

また、路線の途中から乗ると、料金は安くなります。

乗客1:A地点始発で乗車⇒B地点通過⇒C地点終点で下車(MK400)
乗客2:B地点で乗車⇒C地点終点で下車(MK200)

これは理にかなっている感じはしますね。

時間帯や曜日によっても料金が変わったりするので、そこも注意が必要です。

ちなみにマラウイでバス料金をぼったくられる事はそれほどないとは思います。しかし、こちらは外国人ですし、初めて乗る路線に乗る場合は料金が全くわからないので、念のため私は、既に乗っている乗客に値段がいくらなのか聞くようにしています。

そんなミニバスは色んな人が使いますし色んなモノが運ばれます。
そして色んな事が起こるのがミニバスです。

アフリカ、マラウイのバスで起こる事

満載のミニバス

さくら

始発から乗る場合、基本的に乗客で一杯になるまで出発しません。なので、同じ行先のバスが複数台ある場合、たくさん人が乗っているバスを選んで乗ると早く出発ができます。
しかしながら、そこを逆手にいわゆる「さくら」の乗客が乗っている場合があります。お客さんを早く集める為のテクニックですね。
さすがに「さくら」を見抜くのは難しいので、もうこの辺はあきらめています。

色んな荷物

ミニバスは人だけでなく色んなものが運ばれます。
野菜、角材、金板、自転車、マットレス、木炭、肉、魚、生きてる鶏などなど、積載できるものなら何でもミニバスは運びます。これらの荷物からマラウイ人の生活が垣間見る事もできます。
ちなみに、大きな荷物の運搬は別料金が取られるそうです。

突如止まるミニバス

たまにエンストを起こして止まります。
ほとんどのミニバスがかなり年季の入った中古車ですし、エンジンを「走りがけ」する車も多くありますで仕方ないですよね。
完全に走れなくなって、他のバスをつかまえなければならなくなる時もまれにあります。
多くのミニバスがガソリンを少量ずつ給油しているので、ガス欠で止まる事もあります。その場合はペットボトルにガソリンを入れて持っていて、それを給油する場面をよく見るので、ガス欠の際はそのまま座って待っていれば給油してすぐ出発するはずです。

なかなか発車しない、途中停車が多い

始発の時はお客さんがいっぱいにならないと出発しないのは↑に書いた通りなのですが、路線の途中でお客さんを集める為に長時間止まる事もよくあります。
特に長距離の路線だと途中でお客さんがほとんど降りるようなバスステージもあるので、そこでまた客さんを集め直したりします。
あと、最終地点に近づいてきて乗客が少なくなってくると、途中で他のバスに乗り変えさせられる事もあります。もちろん別料金を払ったりする事はありません
たぶん、少ない客を最終地点まで自分の車で運ぶより、他のバスに乗せてそのぶんの料金をそのバスに払った方がガソリン代が浮くし早く次の路線に向かえる、という計算なのだと思います。
確かにその通りなんですが、乗客からすると迷惑以外のなにものでもないんですよね…。

では次にこのミニバスビジネスについて、どういう仕組みになっているのか書いてみます。

アフリカ、マラウイのバスビジネス

ビジネス誌

ミニバスビジネスについて書きますが、これは職場の同僚のマラウイ人から聞いた話ですので、もしかするとモデルの異なるミニバス運営があるかもしれませんが、一例だと思って読んでください。
円換算は全て2020年2月レートになります。

マラウイでのミニバスビジネスは以下の3人の関係でできています。

  • ミニバスのオーナー
  • ドライバー
  • コンダクター

ミニバスのオーナー

オーナーはまずミニバスを購入します。
以下は車両価格の一例です。
尚、輸入費用や税金を全て含んだ価格になります。

  • 中古日産バネット:MK2,500,000(約370,000円)
  • 中古トヨタハイエース:MK7,000,000(約1,040,000円)
日産バネット
比較的価格の安い日産バネット

そして次にドライバーコンタクターを雇用します。
おおまかに基本給与は以下の通りです。

  • ドライバー:MK40,000/月(約5,935円)
  • コンダクター:MK25,000/月(約3,700円)

オーナーによってはコンダクターを直接雇用しない場合もあるそうで、その場合はドライバーがコンダクターを雇います。
コンダクターを雇わない場合は、ドライバーが運転に加えて料金徴収や客引きなど全てをやらなければなりません。
たまにコンダクターのいないバスに乗る事がありますが、ドライバーは大変そうですし、乗客の方もサービスが悪くなるのでお互いあまり良い事はないですね…。

ドライバーは一日の売り上げの中からMK10,000~15,000(約1,480円~2220円)をオーナーに支払い、残りが自分の取り分となります。
売り上げから発生する取り分はコンダクターと分ける人もいるそうで、この辺は人によって違うのかもしれません。
このような形態により、ドライバーやコンダクターは乗せた分だけ自分の給与が上がっていくので、可能な限り乗客を乗せようとします。だからいつもミニバスはパンパンなんですね。

私が話をしたことのあるミニバスドライバーが言うには、給与は安く、何人もの子供を学校へ送るにはドライバーの仕事だけではお金が足りないそうです。

フェイルハーダー

同僚にミニバスビジネスをやっていたマラウイ人がいるのですが、ミニバスを盗まれたり、ドライバーがトラブルを起こしたり、事故が起きたりとなかなか運営は大変だったようです。
以前はミニバス2台保有していたそうですが、手がかかるのでやめてしまったそうです。

マラウイにはミニバス以外にどんな交通手段があるのでしょうか。

マラウイにあるミニバス以外の交通手段

トゥクトゥク

ミニバス以外のマラウイでの移動手段は以下のようなものがあります。

  • カバザ(自転車、短距離)
  • トゥクトゥク(都市内)
  • バイクタクシー(中距離)
  • タクシー(短距離~長距離)
  • シェアタクシー、ヒッチハイク(郊外~長距離)
  • コースターバス(長距離)
  • ビッグバス(長距離)

ちなみにトゥクトゥクは首都でしか見かけた事がありません。
タクシー、ビッグバス・コースター、カバザの利用方法についてはこちらを読んでみてください。

その他の移動手段の利用方法については別の記事でも書いてみようと思います。

まとめ

ミニバス群

ミニバスは基本的に観光客はあまり乗らないですし、地元民の足ですのではじめは乗り方や料金が全然わからないと思います。
土地によって、距離感から計算される料金と異なる場合も多いので、地元の人に何でも聞いてしまいましょう。聞けばみんな教えてくれますし、ぼったくられることもそんなにないと思います。

ミニバスはみんなボロボロの中古車ですので、何が起きてもおかしくありません。エンストしたりドアが外れたりする事はよくあります。
長距離のミニバスだと最初は慣れるまで色々とキツいかもしれませんが、全部ひっくるめて楽しめると思いますし、中~長距離移動では安い交通手段の一つですので、マラウイに来た際は是非ミニバスで遠くまでいってみてはどうでしょうか。

地平線

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