アフリカ、マラウイでの住居の防犯対策はどうする?

警察官マラウイ
警察官
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アフリカ、マラウイはアフリカ諸国の中でも比較的犯罪率は低く平和な国ですが、日本に比べると犯罪率は高いと思いますし、外国人はターゲットにされやすいと思います。
私がマラウイの自宅で行っている防犯対策を書いてみたいと思います。

マラウイ生活で得た個人的な経験ベースでお伝えします。

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アフリカ、マラウイで発生する犯罪とそこからわかる基本的な防犯対策

手錠

一般的にマラウイが重犯罪よりも軽犯罪が多いとされています。
しかし、調べてみると人口あたりの殺人犯罪件数は少ないわけではなく、他のアフリカ諸国と比べて少し多いようです。

Malawi Crime Stats
https://www.nationmaster.com/country-info/profiles/Malawi/Crime

確かにニュースなどでモブジャスティス(私刑)のような殺人事件はよく見るような気はします。主に農村部で多いですね。
他には、怨恨殺人は月に数回ニュースで見ていると思います。
他のアフリカ諸国ではどうなのかわからないのですが、楽観的で陽気なマラウイ人が多い印象とはウラハラに、恋愛問題や不倫などでの自殺や事件を結構ニュースで見つけることができます。

殺人が多いとはいえ、外国人が遭遇する犯罪としては窃盗強盗がダントツで多いようです。
マラウイ大使館の方の話によると、マラウイでは銃犯罪率はかなり低いので、近隣のタンザニアやケニアの都市部で発生するような銃を使用する強盗は少なく、スリや空き巣のような形の窃盗が多いとのことです。

このようなことから、外国人の私たちが最も気をつけなければならないのは窃盗ということになります。
都市部で凶器を使用した強盗や殺人などに遭うことは珍しいので、犯罪の多い場所に行かない夜間に出歩かない、など基本的な安全習慣を持っていれば問題ないと思います。凶悪犯罪についての防犯は限界があるので、どうしようもない部分は多いですね…。

実際に私が見たり聞いたりしたことや、被害に遭ったことから考えられることを書いてみたいと思います。

アフリカ、マラウイでの経験から言える住居防犯に必要な心構え

割れた窓

私の自宅は都市部の少々治安の悪いエリアにあり、これまで何度か盗難被害に遭っています。
正直、外国人が住むようなエリアではなく、近隣に白人はもちろんアジア系(中国系やインド系)やアラブ系の人すらほとんど見かけたことがありません。一度だけ白人の方を近所のマーケットで見かけましたが、興味本位で自宅から見に来ていただけでした。
そのような場所に外国人が住んでいるので、盗難被害に遭っても納得のような気はしています。

当時、私の自宅には警備員はつけておらず、すぐ近くに同僚が多く住んでいますし、自宅は二世帯住宅のような形で隣にはマラウイ人が住んでいましたのでそれほど心配はしていませんでした。

しかし、自宅の外にあるものが盗まれたり破壊されたりすることが続きました。
具体的には家の外に設置してある水道の部品や電球が盗まれたり、電線が切断されて持っていかれたり、隣人はシャワーのヘッドが盗まれたりしていました(シャワー室は屋外にあります)。
また、私の自宅の玄関部分が一部破壊され、同僚の話では「家の中に侵入しようとしてのではないか?」と言っていました。

近所に住む同僚の家(私の自宅から数十mほど)では、夜間に家族が寝ているにも関わらず住居に侵入されて盗難に遭い、家電を数点盗まれてしまいました。その後もすぐ近くのうちで夜間の盗難があり、鍵をかけてあった納屋に入れてあった自転車などが盗まれたそうです。
自宅にいたにも関わらず盗難に遭ったのは不運でしたが、家族や本人に怪我などがなくてよかった事件でした。
この時の連続盗難は警察も力を入れて捜査したようで、1カ月後くらいに犯人(3人)は逮捕され、盗品も全て返ってきました
ただ、警察がしっかり機能するのは大きな事件の場合がほとんどのようで、私の場合のような軽微な盗難では犯人が捕まったり、盗品が返ってくることはまれだそうです。実際に私の盗まれたものは返ってきていませんし、犯人も捕まっていません。
このような感じで、警察がいつも頼りになるかというとそうでもありません(かといって機能しないわけでもない)。
防犯に重要な基本的な心構えは
「自分の身は自分で守る」
ということです。

具体的に私の行っている防犯対策について、まずは住居についてから紹介したいと思います。

アフリカ、マラウイでの私の住居の防犯対策

守衛

マラウイでの住居防犯対策「居住エリア」

マラウイの住居についてまず初めに検討しなければいけないのは、どこに住むか、ということになります。
外国人であれば治安面から住む場所は検討すべきだと思います。都市部であれば選択肢は多いですし、基本的に外国人や高所得者はある程度集まって居住しています。場所によってはコミュニティ全体で警備会社と契約してエリア全体の警備を依頼しているところもあります。
ただ、そういったいわゆる高級住宅街でも空き巣などの犯罪は発生していますので、絶対安全というわけではないのですが、治安の悪いエリアにくらべると圧倒的に被害は少ないです。
居住エリアについては所属組織との兼ね合いや予算の都合などもあり、自分で選択するのが難しい場合がありますので、選択肢が持てない場合は防犯対策をしっかりしておきましょう。

マラウイでの住居防犯対策「近所付き合い」

これは防犯についてだけでなく大切なことですが、近所付き合いはしっかりしておいた方がいいです。
何か知らない人が歩きまわっていれば教えてくれますし、近所の目があると不審者から家を守ってくれます。
また、マラウイでは一つの家に親戚など多くの人が住んでいることが多く、付き合いのある家でも全員とは話したことがない、ということはざらにあります。その家に住む、面識のない誰かが窃盗に及ぶ可能性はありますので、可能なかぎり多くの人とコミュニケーションを取っておくと良いと思います。
私の自宅では窃盗被害後に警備員を24時間つけるようにしたのですが、その警備員の一人が牧師もやっておりかなりの話好きです。彼が担当の日中には私の自宅前には常に数人来て話をしており、集会場のようになっています。このお陰で、図らずも常に人が自宅近辺に集まっているので知らない人が近づきにくい環境ができました。

マラウイでの住居防犯対策「外に物を置かない」

マラウイで外に置いてあるものはなくなります
たとえそれが何かに設置・固定されていたとしても、取り外して持っていかれます
ですので、基本的に外にあるものは持っていかれるのを前提にしましょう。
私は最終的に外にあるものは全て自宅の中か、鍵のかかるトイレかシャワー室に入れました。盗まれた水道備品については、安物をマーケットから購入して取り付けています。
盗まれた電線や電球については、以前は手の届く場所に設置されていたものを、大人でも手の届かない高さに付け変えました。

ちなみに、マラウイで多くの世帯ではゴミは自宅の敷地に穴を掘って埋めるのですが(都市部の一部ではゴミ回収はしています)、自宅の目の前にあるゴミの穴に大きめのプラスチック用品や段ボールなどを捨てておくと、早ければ数分後にはなくなっています。
マラウイのゴミ問題については別の記事で書きたいと思います。

マラウイでの住居防犯対策「見せない」

住居の外にどうしても物を置かなければいけない場合は、外から見えないようにしてください。
マラウイの自宅の前に警備員用の詰め所があるのですが、当初そこは周りから丸見えの屋根だけあるスペースでした。そのスペースには、警備員用の椅子や調理器具などがあったので、今はシートをかけて外から見えないようにしています。
また、自宅の窓には常にカーテンを閉めて中は覗けないようにしています。
カーテンにプラスして、窓に鉄格子がついていない場合は鉄格子を付けることを強くお勧めします。できれば格子の小さめのいいと思います。
鉄格子の無い窓だと、ガラスを割って入りこまれる事例が多くあるそうです。私の同僚の窃盗も鉄格子無しでした。
しても窓を割って隙間から針金や腕を入れて物を取られる事があるので、室内は見えないようにしておいてください。

鉄格子
自宅の窓に付けた鉄格子

マラウイでの住居防犯対策「電気は常につけておく」

もし住居の外や建物の外側に外灯がある場合はつけっぱなしにしてください。
昼間はつけていなくてもいいのですが、長期外出や1泊でも家を空ける時はつけっぱなしにしておきます。可能なら中の電気も付けておいた方がいいです。
もし家の外に外灯が無い場合は、外灯を設置することを強くお勧めします。
できれば家の周りに暗くなるような場所がないようにまんべんなく設置するのがベストです。
マラウイでは公共の街灯のようなものは都市の繁華街中心部以外ほとんどありません。私の住んでいる都市の外れの方は、夜になると完全に真っ暗です。外灯はかなり防犯に効果を発揮します。

私も一度窃盗に遭った後に外灯を増やしています。
あと、私は窃盗にあった後数週間の間だけですが、寝る時に家の中の電気も付けっぱなしにしていました。私の隣人は寝る時も寝室以外の電気は付けっぱなしにしています。
「誰かいるかもしれない」というリスクを感じると、盗みに近寄りづらくなりますよね。

マラウイでの住居防犯対策「警備員」

これが一番有効だと思います。
可能であれば24時間2交代か3交代で警備を付けることをお勧めします。マラウイには警備会社が多くありますので、いくつか試してみてよいと思います。
警備会社やその土地の人員などによって、警備員の質が大きく異なるようなので試してみて判断するしかないと思います(警備会社からの派遣であっても、サボったりすることはよくあります)。

私の場合は知り合いの家族などで無職の人を雇っていましたので、プロの警備員ではありません。
なので、雇い始めた当初は警備員としての指導(といってもルール決めと時間に遅れずに来る、などの基本的なことですが…)が少々大変でしたが、買い物を頼んだり家の修理をお願いしたり色々やってくれたのでとても助かっています。
もちろん、警備以外の仕事には別途支払いをしています。
他には、身近なマラウイ人の一人として色んな話を聞けますしマラウイ料理を教えてもらったりもしますので、警備員の雇用は色んな意味でお勧めです。

このように私たちが取れる対策はそれなりにありますし、どれも効果があります。
外国人が狙われるのは理解できますが、そもそもなぜマラウイでは窃盗事件が多いのでしょうか?

アフリカ、マラウイでの犯罪動機

少年

マラウイではあらゆるものがマーケットで商品となっており、何でもお金になる可能性があります。そして、貧富の差が激しいマラウイの低所得者にとっては、窃盗をして売り飛ばすことが生きる為の手段となるという現実があります。
実際に私の盗まれた金属備品や電線などは、マーケットで売ることができるそうです。
近所のうちでは、水道メーター(金属製)が盗難にあったり、私の職場の屋根の金属板が、その職場の警備員に盗まれるという事件もありました。

私の職場の水道メーターを盗もうとした少年(推定12歳ほど)が捕まり、「お金が無いから盗もうとした」と号泣しているのを見ていたたまれなくなることもありました(彼はペナルティとして敷地内の掃除をした後、警察には報告せずに解放されました)。
後に聞いた話によると、その少年はホームレスの状態で家族や親戚はいなく、学校にも行かず、私の自宅の近くにある低所得者の集まる住宅街で日々生活してるそうです。その話を聞いた後、私が何かできるのではないかとその少年を知人などにもお願いして探しましたが、見つけることはできていません。
この少年の事件が、私が本業とは別に近所の孤児院やストリートチルドレンの支援をしている団体の手伝いを始めるきっかけでした。

軽犯罪の裏には社会問題が常に隠れているということを念頭においておかなければなりません。

まとめ

ピース

マラウイでは警察が治安を維持している、というよりはコミュニティによって犯罪を抑制している面がかなり大きいと感じています。
日本も数十年前や田舎だと同じような感じですよね。
そのコミュニティに溶け込むためにはまず近所との良い関係性を築き、自分の取れる防犯対策は可能な限りやっておきましょう。
一番のオススメは警備員ではありますが、すぐに信頼できる警備員が見つかる保障はありませんし、雇ってすぐの警備員を信頼することはできません。
結局、自分の身と自分の財産を守るのは自分自身ということになることを忘れないようにしなければなりません。

とはいえ、重犯罪の比較的少ないマラウイですので、もしマラウイに長期滞在する場合は、取れる防犯対策はしっかり取ってマラウイライフを楽しんでください。

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