途上国でのタクシーは、よく外国人がぼったくられたり、犯罪に遭ったりする事がある交通手段ではありますが、マラウイのタクシーはどのようなものなのでしょうか？
私がタクシーの配車を依頼する際に使っているテクニックと共に、マラウイのタクシーについて書いてみようと思います。
私は今現在(2020年2月)マラウイの都市部に住んでいますので、私の生活ベースで経験した事をお伝えしたいと思います。結構歩いてしまう事が多いので、タクシーを使う頻度はそれほど多くはないのですが、月に3～4回ほど使っています。
マラウイには乗り合いタクシーの「シェアタクシー」もあるのですが、この記事で言う「タクシー」は、日本のタクシーと同じように、自分いる地点から指定した場所まで乗せてくれる一般的なタクシーを指しています。
マラウイのタクシーの乗り方
マラウイには日本のようないわゆる「タクシー会社」のようなものはあまり多くありません。ほとんどが個人事業主のような形で、その9割以上が無許可のいわゆる「白タク」だと思います。
日本の商用車のナンバープレートの色が違うように、マラウイの商用車もナンバープレートの文字が一般車両と異なり赤色となります。しかしながら、私の知ってるタクシーは全て黒い文字の普通車です。
基本的に日本のタクシーのように走りながら客を探すタクシーはほとんどいません。また、ほとんどが「白タク」なので、車は当然ながら普通車でパッと見でタクシーだと判別がつきません。
街の中だと、車の上に「TAXI」と書かれている板を置いてある車もあるのですが、たぶん観光客とかだと「TAXI」の板が無いと全くわからない思います。
ただ、タクシーは街中だとたくさんいますので、外国人がうろうろ歩いていると「TAXI、TAXI」とすぐ声をかけられるので見つけるのに苦労することはないと思います。
それではタクシーがつかまったとして、料金はどのようになっているのでしょうか。
マラウイのタクシー料金
ほぼ全てのタクシーで料金は交渉制となっていますので、必ず乗る前に支払う料金をドライバーと決めてから乗ってください。
決めずに乗って目的地まで行ってしまうと、こちらが「乗らない」という選択肢が無くなるので交渉が不利となります。
メーター読みで料金を決定するタクシーは数えるほどしかありません。
マラウイにはマラウイ・タクシー協会（Taxi Association of Malawi）があり、最低料金のガイドラインを定めています。しかし、前述の通りほとんどが白タクですのでこの料金を基準に料金設定はされていないと思います。
私はいつも4キロの距離をほぼ同じドライバーさんで、MK2,500（約370円<2020年2月レート>）で乗っています。
個人的な感覚ですが、初めてのドライバーさんとの交渉の際は、4キロ程度の距離でMK3,000（約450円<2020年2月レート>）を基準にいつも交渉をスタートしています。
たぶん相場を知らない観光客だと、4キロくらいでMK4,000～5,000くらいと言われる事があると思います。マラウイに来た当初、4キロないくらいの距離でMK4,000払ったことがあるのですが、今考えるとちょっと高かったかなぁ、と思います。
私は基本的にそこまで値切りらないのですが、なぜ値切らないのかは別記事で書こうと思います。
とはいえ、マラウイ人は基本的にそれほどふっかけた料金を要求してくることは少ないので、2, 3人のドライバーと交渉をしてみたら相場感がつかめると思います。
基本的に私達は外国人ですので、「安く値切れた」と思ってもローカルの人達の料金よりもまだ少し高かったりもします。
長期滞在される方であれば、相場感をつかんだ後に、ひいきのドライバーを見つけておくとタクシーを使用するのが楽になると思います。
料金交渉を毎回しなくて済みますし、よく行く場所をすぐわかってくれますし、来てほしい時にすぐ来てくれるようにもなります。
そんなマラウイのタクシー業界に革命的なサービスが現れます。
マラウイのモビリティ革命
タクシーと言えば世界的にUberがサービスが広げていますが、マラウイにはまだUberは来ていません。
しかしながら、Uberのようなタクシーと利用客を繋ぐタクシー配車サービスがマラウイにもあります。
スマホアプリを使って目的地を設定してタクシーを呼び、距離で料金が決定されますので、あらかじめ支払い料金もわかるというサービスになります。
それがTaxiMeとEcorideです。
TaxiMe
TaxiMe Malawi
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ecoridetaxi.user
3キロまで一律MK2,000で、それ以上は1キロごとにMK500が加算されていく料金体系になっています。4キロ計算でMK3,000になります。
残念ながら私は使ったことがないのですが、サービス自体はリロングウェ、ブランタイヤ、ムズズ、ゾンバで展開しているそうです。
Ecoride
Ecoride
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ecoridetaxi.user&hl=en
都市によって若干料金体系が異なるようなのですが、基本料金がMK450で、そこに1キロごとにMK450～500が加算されていく形です。4キロ計算で約MK2,500になります。
現在のところリロングウェとブランタイヤでのみ利用できると思うのですが、アプリを見ると、エリア選択にマンゴチとムズズが追加されていましたので、近いうちにサービスが開始されるのかもしれませんね。
この二つのサービスですが、決定的な欠点があります。
どちらのアプリも出来がすこぶる悪いです笑
以前にTaxiMeを使おうとしてアプリから登録しようとしましたが、利用登録ができませんでした。
Ecorideのアプリでは10回ほどこれまでタクシーを呼んでいますが、ちゃんとつかまったのは2回だけでした…。
私から度々マネジメントに改善を求めていて、日々改善されているとは思いますが、ちょっと時間がかかりそうですね。
Ecorideについて特筆すべき点は配車のシステムではなく、他のところにあると思っています。
マラウイの未来を担う？！Ecoride
私はEcorideがマラウイの輸送業界に革命を起こせるのではないかと思っています。
すでにお伝えした部分と被りますが、このサービスの特徴は以下の通りです。
- タクシー配車
- 明瞭な料金体系
- カスタマーサポートの設置
- 利用履歴の表示
- エコ・ウォレット
なんと言っても一番は「エコ・ウォレット」だと思っています。
自分の電子マネーや銀行口座からこのEcorideの運用するエコ・ウォレットにチャージができて、料金支払いがアプリ上でできます。
もちろんマラウイでこのサービスはまだまだ時期尚早なのですが、このタイミングでここに踏み出しているEcorideはすごいと感じていますし、今からこの決済サービスに参入していれば、マレーシアやシンガポールで展開しているGrabのように 将来的にこの分野でも事業展開できる可能性があります。
私はEcorideにアプリの不具合改善以外にも、長距離料金、もしくは郊外料金の導入を提案しています。
現行の料金体系だと、長距離を乗るとどうしても他の白タクに比べて割高になってしまいます。都市間移動や都市と郊外間の移動のニーズは高いので、ここで利用者とドライバーの最適化ができると人の移動が多くなり、経済活動を活発化させることができます。
（もちろんここには農村部の人がスマホを使えることが前提となるので、それはまた別にクリアしなければならない問題がありますが、時間の問題だと思っています）
マラウイでは人だけでなく、物品輸送のニーズも高いです。農村部の農家はほぼ個人経営や地域グループのような形で商品をマーケットや都市部に卸します。
物の輸送についてもこのコンセプトは利用できると私は思っており、是非そちらにも手を突っ込んでもらいたいと考えています。
いつも私はEcorideのサービスに文句を言うのですが（ドライバーがつかまらんから笑）、とても期待している会社の一つです。
とはいい、私はEcorideを日常的には使っておらず、いつも特定の何人かのドライバーに配車依頼をして乗っています。そのやり方を紹介します。
マラウイでの私の配車方法
私は確実に配車する時には、電話ではなく毎回テキスト（WhatsAppかSMS）を3人以上のドライバーに送っています。
いつ、どこからどこへ、いくらで、というのを3人に送って、交渉が成立したドライバーに来てもらうようにしています。
この時、1人が交渉成立したら残りの2人のメッセージは即座に削除します。メッセージに返信せずに迎えに来ちゃうかもしれませんからね。
もし「何かメッセージ送った？」などと返信が来た場合は、「タクシー乗りたかったんだけど、他の人つかまったからまた今度ね」と返信します。
これを毎回続けることで、ドライバー間での競争が生まれ、今は配車スピードが速くなりましたし、料金も安く一定に保たれています。
マラウイではあまりガツガツした商売人は多くないので、知ってるドライバーに連絡を取っても繋がらなかったり、返信が無かったりということはよくあります。
タクシードライバーの番号を5,6人知っていますが、結局同じドライバーの車に乗る事が多いような気がします。
マラウイにあるタクシー以外の移動手段
自家用車とタクシー以外のマラウイでの移動手段は以下のようなものがあります。
- カバザ（自転車、短距離）
- トゥクトゥク（都市内）
- バイクタクシー（中距離）
- ミニバス（都市内～長距離）
- シェアタクシー、ヒッチハイク
（郊外～長距離） - コースターバス（長距離）
- ビッグバス（長距離）
ミニバス、ビッグバス・コースター、カバザについてはこちらの記事を読んでみてください。
これらの利用方法については別の記事で書いてみようと思います。
ちなみにトゥクトゥクは首都でしか見かけた事がありません。
まとめ
とりあえずはその土地の料金の相場感を知って、ドライバーと利用者の双方が納得すれば、私はいくらでもOKだと思ってます。
私は↑で紹介した配車方法でタクシーにいつも乗っていますが、もう一つやっている事があります。それは、交渉後の料金に大抵+MK500多く払っています。
ドライバーから見て私がある程度「上客」だと思ってもらう必要があります。値切り過ぎてあまり儲けのない客だと思われると、顧客としての優先度が下がってしまいますからね。
私があまり値切らない理由の一つでもあります。
私の思う、マラウイでのタクシー乗車で重要なのは以下のことになります。
- 相場感を知っておく
- 料金交渉は乗る前に
- 料金が納得できなければすぐ他を探す
- 何度も使うなら値切り過ぎない
マラウイのタクシーは基本的に安全ですし、法外な料金をふっかけられる事もありませんので安心して乗ってもらえればと思います。
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