アフリカ、マラウイの学校では「道徳」の授業はありません。しかしながら、多くのマラウィアンは確固たる道徳体系を持っており、それを基本に社会を構成しているように感じています。
彼らは生活の中でどのように「道徳」を得ているのでしょうか。
私は今現在(2020年1月)マラウイの都市部に住んでいますので、私の生活ベースで確認した事や感じた事をお伝えしたいと思います。
なので、農村部や他の地域とは文化感が異なったり、私の主観を通した意見となる事もありますので、それを踏まえて読んで頂けると嬉しいです。
マラウイの学校に道徳の授業はない!
マラウイの学校には、日本のようないわゆる「道徳」や「倫理」という授業はありません。その代わりに、日本の教会系の学校にもあるような「聖書」(Bible Knowledge)の授業があります。
聖書の授業は正式な科目となっており、小学校や中高等学校の最後に行われる卒業試験科目にもなっています。
マラウイの生活に浸透している宗教観
イギリスの植民地だったということで、マラウイの人口の8割以上がキリスト教徒で、1割強がイスラム教徒になります。
キリスト教徒の中でもいくつもの教会に分かれており、ローマカトリック(Roman Catholic)が最も多く、その後にCCAP(Church of Central African Presbyterian)、Seventh Day Adventist系と続きます。
キリスト教がマラウイに伝えられたきっかけは、スコットランド宣教師による布教や修道院の建設から始まったようですので、国内各所に歴史のある教会を見つける事があります。
先ほど出てきたCCAPは、このスコットランドの教会の一派になります。
多くのマラウィアンは週末になると自分達の所属する教会に行きます。私の家の周りではローマカトリックのコミュニティがあり、毎週平日の夕方に集まって歌ったりお話をしたりしています(全てチェワ語なので私には理解できませんでした…笑)。
学校では朝礼や聖書の授業で、聖書を通して人の生き方や社会での善悪などの日本でいう「道徳」を勉強していきます。
私は聖書をたまに読みますし、日本にいる時もたまに教会へ足を運ぶこともあります。ですので、個人的にはこの道徳の教え方の方が、日本での取って付けたような道徳教育よりもしっくり来ています。
私の聖書利用法についてはこちらの記事を読んでみてください。
アフリカ、マラウイ土着の民間信仰
すでに知っている方も沢山いるかと思いますが、アフリカには部族が沢山おり、マラウイにも多くの部族がいます。
それぞれに独自の文化や儀礼を持っており、それに基づく信仰や習慣を宗教とは別に持っている人も多くいます。都市部ではなかなか目にすることはありませんが、農村部へ行くと見る機会があるかもしれませんね。
病気になったり不幸な事が起きると、術師のところに行き、薬をもらったり呪術のようなものをかけてもらう方も農村部には多くいます。
近所の子供で「窃盗をすると呪われる」と言っていた子がいましたが、民間信仰も道徳教育に一役買っているようです。
街の中でも術師の広告が貼ってあるのをよく見かけるので、都市部にも利用者がいるのかもしれません。ちなみに私の同僚は信じていなかったです。彼らは詐欺師だ、とも言い放つ同僚もいました笑
マラウイの社会の基盤は宗教
このようにマラウイの社会は信仰を基盤として成り立っているように私は感じています。
長距離バスの出発前、会議や集会の前後にはお祈りをしますし、イベント事に牧師さんが来て説教をすることもあります。
教会を中心としたコミュニティで「聖書」を基に「生き方」を学びます(もちろんムスリムの方はイスラムの教えによって学びます)。
「Warm Heart of Africa」と呼ばれる所以は、この信仰心も一役買っているのではないかと思っています。
みなさんがマラウイに来て、マラウィアンを助けるような事があった時にはきっとこう言われると思いますよ。
「God bless you」
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