アフリカ、マラウイにももちろん電気はありますが、都市部だとしても不安定です。停電は頻繁に起きますし、丸一日電気が無いこともあります。
このような不安定な電気環境で生活するには、どのような対策や心構えが必要でしょうか?
私は今現在(2020年1月)マラウイの都市部に住んでいますので、私の生活ベースで経験した事をお伝えしたいと思います。なので、農村部や他の地域とは生活の様子が異なったり、私の主観を通した意見となる事もありますので、それを踏まえて読んで頂けると嬉しいです。
農村部ではそもそも電気が通っていなかったりしますからね。
アフリカとマラウイの電気普及率
Energy in Malawi
https://en.wikipedia.org/wiki/Energy_in_Malawi
マラウイで利用されるエネルギー全体の94%は炭と木によって生まれているそうです。
私の同僚もほぼ調理には木や木炭を使っています。ガスや電気を使って調理するマラウィアンは見た事ないかもしれません。私は基本的に電熱器を使っていますが、停電の時には木炭を使って調理をしています。
元々田舎育ちのキャンプ好きだったので、炭で火を起こすのはすぐ慣れましたね。
マラウイ国内の電化率(電気が通っている世帯の割合)は10%程度で、都市部では37%、農村部ではたった2%だそうです。
私の自宅にはもちろん電気は通っていますが、15分ほど街外れに歩いたところにある住宅地では、電気の通っていない家がたくさんあります。
ちなみに日本の電化率はほぼ100%です。
今の時代に日本で電気通ってないうちってほぼ聞いた事ないですよね。
日本とマラウイの人口一人当たりの消費電力量は
マラウイ: 93kWh(2015年)
日本: 7,974kWh(2016年)
となっています。当然ですが圧倒的に違いますね。
マラウイの電力会社ESCOM
マラウイには電力会社が二つあります。
・ESCOM【えすこむ】
(Electricity Supply Commission of Malawi)
・Egenco【えじぇんこ】
(Electricity Generation Company Malawi Limited)
EgencoはESCOMから分離した発電のみを行っている比較的新しい会社になります。マラウイ国内の発電量の一部のみを発電しています。
Egenco
http://www.egenco.mw/
そしてメインのESCOM。こちらがマラウイの大部分の電力を発電しており、国内の送電供給を全て行っています。
ちなみに南アフリカ共和国にある電力会社Eskomとは何も関係ないそうです。
ESCOM
http://www.escom.mw/
マラウイの発電量の95%は水力発電となっています。
現在国内7個所に水力発電所があり、さらに4か所の水力発電所の建設が予定されています。
水力発電以外にもソーラー発電所と火力発電所の建設も予定されています。
・カンジンベ・ソーラー発電所
(Kanzimbe Solar Power Station)
・カムワンバ火力発電所
(Kammwamba Thermal Power Station)
ソーラー発電所はカナダの支援、火力発電所は中国の支援で建設されるそうです。
どの発電所も一刻も早く、そして問題無く完成してほしいです(切実)
自国内の発電以外に、政策として隣国(ザンビアとモザンビーク)と電力売買も行っているので、足りない時は購入したり、部分的に販売する事もあるそうです。
マラウイ都市部での電気状況と電気代
都市部では、電気が家に通っていない場合は、ESCOMに依頼して引いてもらう事ができるそうですが有料になります。
電気利用はプリペイド式(先払い)になっています。
もし自宅に電気が引かれている場合は、「ユニット」というものを購入し、ESCOMからレンタルされる端末にユニットを登録し、購入したユニット分のみ電気が利用できる仕組みです。
ユニットはESCOM指定の以下の場所や方法で購入できます。
・ガソリンスタンド
・スーパー
・ESCOM支店
・銀行
・電子マネー
マラウイで利用できる電子マネーについては別記事で書こうと思います。
当然ながら世帯によって電気料金は変わってくるのですが、一カ月で数千クワチャではないでしょうか。私の自宅は大家に毎月定額支払い(MK10,000 | 約1,500円<2020年1月レート>)しているので、正確な料金はわからないのです…。
マラウイでの停電対策
計画停電がありますが「一応」ESCOMからいつ停電が発生するのか発表されているので、それを参考にはできます。しかし、その通り実施されない事もあるので、あてにできないというのが実際のところです。だいたい6時間~8時間ほどのローテーションで停電が行われます。
ただ、ESCOMの「調子」が良いと計画停電はありませんし、電力が不足していると計画停電が始まります。このあたりのESCOMのさじ加減がいまだにわかりません笑
計画停電以外だと、突発的に数時間止まったり、物理的な原因(電柱が倒れた、電線が切れた、など)で電気が止まる事もよくあります。私の自宅だと豪雨になったり強い風が吹くと停電します。
このように電気供給がとても不安定なので、常に停電しても大丈夫なように備えておかなければなりません。
基本的に以下の備えを私はしています。
・調理しなくても食べられる食料
・モバイルバッテリーを3つを常に充電
(6,000mAh、20,000mAh、40,000mAh)
疲れている時にいきなり停電になると火を起こす気になれないので、果物やアボカド、パン、缶詰などそのままでも食べられる食料を常に置いてあります。
私は仕事でもプライベートでもスマホとPCは欠かせないため、モバイルバッテリーは常にフル充電された状態にしています。
6,000mAhは持ち歩き用で、20,000mAhは自宅のスマホやUSB扇風機などの小さい端末や機械用になります。そして40,000mAhの大容量のバッテリーはかなり重宝していて、主にPCに使っています。
大容量バッテリーはちょっと重いのですが、外出先の電気が無い場所でも長時間PCを使ったり、小さいプロジェクターを動かすのにも使えるのでかなり活躍しています。
Omars モバイルバッテリー 146Wh 40200mAh
Anker PowerCore 20100 (20100mAh モバイルバッテリー)Anker PowerCore Fusion 5000 (モバイルバッテリー 5000mAh)
家屋の設備としてソーラーを設置するのも対策の一つとなります。電気コンロを使ったり、冷蔵庫を動かしたりするのは難しいかもしれませんが、ソーラーがあれば電灯に使ったり、スマホの充電などはできると思います。
お金持ちの家にはソーラーが付いていたり、ガソリンで動く発電機を持っているうちもありますね。
マラウイでの停電時の冷蔵庫
停電になると当然ながら冷蔵庫も止まってしまいます。
対策はやりようが無いのですが、開けたらできるだけ早く閉める、くらいでしょうか。
私の使っている冷蔵庫はワンドアの独立した冷凍室が無いタイプで、冷蔵室の中に冷凍スペースがある、という形のものです。これだと、長時間の停電(12時間など)があると、全てが溶けて冷蔵庫の中が水浸しになります。冷蔵庫の中から外にも流れ出て水たまりができてたりもします…。
冷蔵庫を買う場合は、ちょっと値段が高いのですが、冷凍室の独立したものを購入する事を強くお勧めします。独立していると冷凍室の保冷力が全然違います。
ちなみに私の使っている冷蔵庫(80Lくらい)はMK180,000(約26,500円<2020年1月レート>)で買いました。ツードア(90Lくらい)のものでしたらMK200,000~250,000くらいで買えると思います。
まとめ
マラウイの都市部には電気はとおっていますが不安定ですので、常に備えておかなければなりません。私の自宅の場合だと、最長で2日電気が止まった程度ですが、ひどいエリアではと何週間も止まる場合もあるそうです。
私の生活には、停電対策としてモバイルバッテリーは欠かせないものとなっています。
電気も水と同様に明日ある保障はありません。今日できる事は今日やっておかなければなりませんね。
マラウイの同じく不安定な水道については以下の記事を読んでみてください。
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