アフリカ、マラウイでゴミ処理はどうしているのでしょうか?
生活をするにあたって必要になるのがゴミ処理です。
マラウイでのゴミ分別や収集などのゴミの処理方法について書いてみます。
私のマラウイ生活で得た個人的な経験ベースでお伝えします。
予め書いておきますが、私は環境保護活動家のようなイデオロギーは持っていません。
昨今のプラスチック問題についてだと、しっかり処理できるなら活用して、それができないなら使用しない、というスタンスです。
日本のレジ袋の有料化を例に挙げれば、私は有料化に「意味はない」と思っています。
アフリカ、マラウイのゴミ処理事情
途上国だとどこでも抱える問題の一つに「ゴミ」があります。
マラウイも他の途上国に負けず、あらゆるところにゴミが落ちています。
個人的に「ポイ捨て」が嫌いなので、マラウイに来た当初からかなり気になっていることの一つです。
マラウイの人たちは掃除をよくします。
毎日のように自宅の周りや中の掃き掃除をしますし、モップ掛けもします。
しかし、ゴミのポイ捨てや家庭ゴミの処理については問題意識や罪悪感を持っている感じがあまりしません。
正確に言うと、ポイ捨てや家庭ゴミを正しく処理しないことが良くないことなのは解っているが、やってしまう、やらざるを得ない、という感じだと思っています。
マラウイでのゴミ処理における問題についてはこちらの記事を読んでみてください。
アフリカ、マラウイでゴミは収集処理される?
日本では家庭ゴミをその辺に捨てると違法となりますが、マラウイでは家庭で処理するのが一般的です。
もしかすると違法の可能性がありますが、私の知る限り自治体で収集処理が指定されていない限りは各家庭で処理をしているのが実情です。
都市部の一部の地域(特に高所得者の住むエリア)では行政サービスとしてのゴミ収集が行われています。
都市やエリアなどで異なるかもしれませんが、少なくとも私の知るブランタイヤとリロングウェの一部エリアでは有料となっています。
日本のように小さい地域ごとのゴミ収集所のようなものはありません。
家の前に置いてあるバケツからゴミを持っていく形です。
収集には海外から寄付されたのであろう結構立派で大きな収集車が走っていたりして、↑のような日本の収集車も使用されています。
都市部ではゴミの投げ捨ては禁止されていますので、都市の中心街に行くとゴミ箱のようなものが置いてあり、このゴミも市が収集しています。
よくゴミで溢れてますけどね…。
都市部の各家庭のゴミ収集以外に、簡易的にゴミ収集所となっている場所に「スキップ」と呼ばれる大きな鉄のゴミ箱を置いているところもあります。
このスキップは定期的に市が回収しているそうです。
ただ、たまに街外れで見かけるこのスキップはいつも溢れていてスキップの周りはゴミだらけなので、ちゃんと機能しているか怪しいところです。
それでは、ゴミを回収してもらう時に分別は必要でしょうか?
家庭で処理するにはどうしたらよいのでしょうか?
アフリカ、マラウイでゴミ処理で分別は必要?
家庭で処理する場合も収集してもらう場合も、分別は必要ありません。
家庭で処理する場合は、「埋める」か「燃やす」しかないので(埋める場合も途中で燃やすことはあります)、穴を掘ってそこに放り込むだけです。
ビン・カン・プラスチック・紙・生ものなどなど全てを同じ穴に入れて、最終的に埋めます。
私の住むエリアでも各住居で一つの穴を掘っていて、そこに全てを捨てています。
初めはかなり抵抗がありましたが、すっかり慣れてしまいましたね…。
私はお隣と穴を共有して使っていて、ある程度ゴミが溜まってきたら燃やしています。
近所のうちも定期的に燃やしているみたいです。
燃やしておかないと、虫が湧いたり不衛生な状態になるので私は週に一回は燃やしています。
収集されるゴミについても分別は不要です。
収集されたゴミは都市郊外にある集積所に持って行って捨てられるだけなので、分別はしません。
ゴミ集積所にはゴミを拾って生活している人も多くいるので、そこである意味「分別」されているとは言えるかもしれません。
ゴミの最終処理場(集積所)についてはこちらの記事を読んでみてください。
では、このようなゴミ事情のマラウイですが、新聞にも定期的に取り上げられる社会問題となっています。
そのゴミ問題について少しだけ触れてみたいと思います。
アフリカ、マラウイのゴミ処理の問題
何と言っても第一にゴミについての教育が浸透していないように感じています。
マラウイでは都市部のみならず、農村部でもそこらじゅうでゴミが落ちているのを目にします。
子供たちや学生にゴミの話をすると、ゴミをポイ捨てしてはいけない、ということはわかってはいると思います。
私の話したことのある子どもたちは、だいたいわかっていました。
ですので、ゴミについての教育は家庭や学校である程度行われてはいるのですが、何かの事情でポイ捨てしないことが難しいのか、生活行動として定着するまで至っていないというところです。
日本でも同じことが言えるのかもしれませんが、環境教育は今すぐ自分自身に影響する結果を出すものではないので、ポイ捨ての実害を理解・実行・習慣化させるのは難しいのだと思います。
私の把握する限りで、各家庭やスキップを利用したゴミ収集を行っているのはリロングウェ、ブランタイヤ、ムズズとなりますが、どの都市でも予算や設備不足の問題で満足な回収ができていません。
そのような状態なので、現時点以上の回収業務の拡大や、サービス向上は望めないように感じています。
生活に直結する問題としては、環境破壊が挙げられます。
特に都市部の低所得者の集まるエリアでは、狭い地域に多くの家が密集しています(いわゆるスラム)。
そこではゴミに溢れていて、川にも沢山のゴミが堆積している状態です。
このような不衛生な状況から感染症が広がる可能性が高くなります。
ゴミが原因なのかはわかりませんが、年に何度かコレラ発生のニュースは見出しに出てきますし、怪我などで破傷風となるケースもあるかもしれません。
子供は川辺で遊びますし、人々は釣りをして魚を食べ、洗濯やお風呂にも使います。
大雨が降れば全てが流れ出て色々な地域にゴミが広がっていきますので、広範囲に影響する可能性もあります。
この解決にはどうしても行政が解決に切り込むしかないと思っています。
しかし、前述のように色々な資源不足から難しい状態となっています。
まとめ
マラウイでは基本的に各家庭でゴミを処理しています。
全てのゴミを一つの穴に入れて、燃やしたり埋めりしています。
都市部の一部地域ではゴミの回収も行っており、分別はせずに各家庭からゴミを集めて郊外の集積所へ持っていきます。
回収エリアに指定されていると、穴に埋めるたり燃やすのが違法となる可能性があるので気を付けてください。
マラウイではゴミは大きな社会問題の一つとなっています。
マラウイを訪れた際には、嫌でも毎日道端におちているゴミを目にしますので、それらのゴミから途上国におけるゴミ問題について考えてみてください。
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