アフリカ、マラウイに難民がたくさんいるのはなぜ?

ザレカマーケット マラウイ
ザレカマーケット
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アフリカ、マラウイには多くの難民がいて難民キャンプで生活をしています。
しかし、マラウイ国内や隣国のザンビア、タンザニア、モザンビークでは大きな紛争は起きていません。なぜアフリカでは比較的平和なこの国に多くの難民がいるのでしょうか?
マラウイの難民について書いてみようと思います。

私がマラウイの難民キャンプを訪れた際に得た情報と、マラウイでの個人的な経験ベースでお伝えしたいと思います。

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アフリカ、マラウイになぜ難民がやってくるのか?

UNHCR事務所
ザレカ難民キャンプにあるUNHCR事務所

そもそも「難民」とは、については以下のサイトを確認してみてください。

難民ってどんな人? | 難民支援協会
https://www.refugee.or.jp/refugee/

難民とは、紛争や人権侵害などから自分の命を守るためにやむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちのことです。

難民ってどんな人? | 難民支援協会

世界の難民の多くが、紛争や人権侵害を理由に母国から逃げ出してきています。しかし、マラウイ国内やマラウイの隣接国であるザンビア、タンザニア、モザンビークでは現在大きな武力紛争や大規模な迫害は発生していません
マラウイの難民の多くは、ブルンジ、エチオピア、ルワンダ、コンゴ共和国、ソマリアから来ています。
確かにこれらの国々には民族紛争が起きていたり、民族差別が激しい地域もあるので逃げてくる理由は容易に想像ができます。しかしこのような国々とマラウイの間にはケニア、タンザニア、ザンビアがあるのに、なぜマラウイまで来るのでしょうか?

マラウイへ来る難民の母国

私は現地で難民支援に携わるNGO職員や現地のマラウイ人に聞くと「マラウイが平和だから」と言います。
私はマラウイの隣国の難民への対応状況を詳しく知らないので、比較する事はできません。しかし、マラウイで生活してみて、ある程度民族差別や人種差別を目にする事はありますが、紛争や暴力を伴うような迫害は少ないと感じています。ですので、他の国から他の民族がマラウイを選ぶというのは何となく理解はできます。
そして、やはり自国での生活を追われて来た難民ですので、「平和」を求めて流れてくる気持ちもとてもよくわかります。

マラウイの難民はどこで生活しているのでしょうか?

アフリカ、マラウイの難民はどこにいる?

ザレカの位地
ザレカは首都から北へ1.5時間ほどの場所にある

マラウイの首都リロングウェから北に約40キロほどの場所にある、「ザレカ」に難民キャンプがあります。以前はザレカ以外にも難民キャンプがあったそうですが(確かムワンザの方だったと記憶しています…)、今は一つに集約されているとの事です。

私が訪れた2018年4月の時点では、約38,000人の難民・亡命希望者が生活していました。毎年増加しているそうで、2020年に入ってからのUNHCRの報告では41,000人となっているそうで、ザレカ難民キャンプが設置された当初の10,000人から4倍の数になっています。

この難民キャンプは、昔は6,000人収容可能な政治犯刑務所だったそうです。ちなみに、この地名のザレカ(Dzaleka)は現地のチチェワ語で「二度とやらない」という意味だそうです。

ザレカ難民キャンプ

「難民キャンプ」と聞くと、フェンスに囲まれて、管理当局に厳重に監視されているイメージがありますが、ザレカ難民キャンプにはフェンスはありません
一見すると普通の街です。
入るのに許可などは特に必要なく、歩いてそのまま街の中に入っていけます。
街には井戸がしっかり敷設されており、売店などもあり経済活動もしっかり行われています。街の入口あたりにキャンプを支援するNGOや国際機関の事務所が並んでいる事を除くと、幹線道路沿いにはマーケットがありますし、たぶん一般的な街と見分けがつかないと思います。

普通に生活しているように見える難民キャンプなのですが、どのような問題があるのでしょうか?

アフリカ、マラウイにいる難民の抱える問題とは?

難民キャンプ入口
ザレカ難民キャンプ入口にある看板

マラウイに多くの難民が来ているものの、その難民がマラウイへ移住して通常の「市民権を得る事は法律上できません。ここで言う「市民権」とは、選挙権や参政権はもちろんの事、教育を受ける権利や労働をする権利も得る事はできません。
難民キャンプに生活する人々の半分は子供ですので、多くの住民が教育を必要としていますが、公立の学校に行くことはできません。なので、NGOなどがキャンプにいる子供達に教育機会を提供しています。
また、基本的にキャンプの外に出るには許可が必要となり、マラウイの難民は国内で労働をすることも認められていません。キャンプ内では経済活動(商品の売買)がある程度行われてはいますが、生活を維持していくだけの収入を得るのが難しいという状況にある人が多くいます。

厳しい状況にあるように見える難民キャンプの人々には、どのような支援が行われているのでしょうか?

アフリカ、マラウイの難民に対する支援とは?

職業訓練
TIHでの大工の職業訓練の様子

難民キャンプでは、プラン・インターナショナル、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)やWFP(国連食糧計画)など多くのNGOや国際機関が支援活動を行っています。
食料や生活物資の提供があったり、教育機会も得る事ができています。医療については、難民であってもマラウイ国民と同様に無償で受ける事ができます。
私が見学をした現地NGO「There Is Hope」http://thereishopemalawi.org/では、職業訓練、基礎教育、奨学金、女性用寮の提供を難民キャンプの難民とザレカ近隣の住人向けに行っています。

TIH入口

このNGOでは配管、大工、建築(レンガ)、裁縫などの職業訓練が受けられ全て無料です。物品販売や寄付で運営が行われており、施設はEUからの支援で建設されたそうです。

先にもお話したように、難民はマラウイ国内で労働する権利が与えられていません。しかし、多くのNGOが職業訓練を提供しているのはなぜなのでしょうか?職業訓練を行っても働けないはずですよね。
職業訓練の後に、キャンプ内で働く人も多少いるようですが、多くはキャンプの外で仕事を始めるそうです。法律上では労働する権利(労働可能なビザ)は無いのですが、主に都市部に出て違法な状態で働く事ができるそうです。

このように、難民はマラウイに来て、キャンプ内やキャンプの外に出て何とか生活をする事ができる可能性があります。
マラウイに来る難民のほとんどが母国には帰る事はないと言います。難民キャンプか国内で違法状態ンのまま定住するか、また他の国へ渡ったりするそうです。

難民の中には紛争や迫害が理由ではなく、経済的な理由によりマラウイに来る人々も多くいます(母国で仕事が見つからないから来た、など)。マラウイ人の個人ビジネスを行っている人の中には、マラウイでビジネスをしに来る外国人を嫌う人も多くいます。特にブルンジ人が商売が来る事が多く、嫌っているマラウイ人に会った事が何度かあります。
難民問題では問題の原因や影響が異なる為に、このような「経済難民」と「政治難民」や「災害難民」とを分けて考えるのが一般的です。

まとめ

Tumainiフェスティバル
Tumaini Festivalの様子

マラウイにあるザレカ難民キャンプは、一般的にイメージされる難民キャンプとは少々異なり、普通の街や集落のような感じです。
多くの支援が入ったり、経済活動が行われていますが、一度支援が止まったり、食料不足などが起こると一気に危機に陥ります。
そもそもマラウイは経済的に厳しい国ですので、難民に手厚い保護を行うのは財政的にも国民感情的にも難しいと私は感じています。
とはいい、このまま巨額の支援をし続ける事が良い事だとも思いませんので、マラウイの持つ問題の一つではないでしょうか。

最後に、ザレカ難民キャンプでは年に一度、難民キャンプの住人が発起人として始まった大きな音楽イベント、「Tumaini Festival」(ツマイニ・フェスティバル)があります。毎年11月頃に行われていますので、もしその時期にマラウイに来た時には是非参加してみてください。

ツマイニ祭りのフライヤー
首都リロングウェで手に入れたTumaini Festivalのフライヤー

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