2020年1月30日現在、170人が死亡し、7000人以上の感染が報告されているコロナウイルスですが、発生源となっている武漢市には51人のマラウイ人がいます。
今そのマラウイ人はどのような状況にあるのでしょうか。
目次
◆武漢にいるマラウイ人
◆マラウイ人学生達の武漢での生活状況
◆マラウイ政府の新型コロナウイルスへの対応
◆新型コロナウイルスに対する同僚の不安
◆まとめ
私は今現在(2020年1月)マラウイに住んでおり、毎日現地メディアの報道をチェックしています。
「Nyasa Times」の記事の情報を基に武漢の状況、マラウイ国内のメディアの報道するコロナウイルスについて書いてみようと思います。
Nyasa Times | 50 plus Malawians trapped in ‘no-go zone’ coronavirus epicentre: China’s Wuhan like a death city
https://www.nyasatimes.com/50-plus-malawians-trapped-in-no-go-zone-coronavirus-epicentre-chinas-wuhan-like-a-death-city/
武漢にいるマラウイ人
人口1,100万人の武漢には現在51人のマラウイ人がいるそうで、そのほとんどが留学生だそうです。
同じ湖北省の中で武漢市以外には、宜昌市に7人、咸寧市に1人生活しています。
マラウイでは中国留学は一般的で、毎年多くの学生が中国に渡っています。
中国に留学するの学士課程の奨学生には、2,500元(MWK265,000 | 約39,000円)が毎月政府から給付されます。マラウイでMWK265,000というのは高額なのですが(小学校の先生の給与より高い)、中国で生活するには最低限の光熱費、食費程度の額にしかならないそうです。
マラウイ人学生達の武漢での生活状況
武漢にいるマラウイ人学生の資金や食料などがなくなってきています。
今現地にいる学生達が一番求めているのは「食料」だと答えています。Nyasa Timesの取材時で、武漢が閉鎖されて8日になるそうですが、お店は閉まっており、特定の店が特定の場所で2,3時間だけ販売しているような状態だそうです。
買い物ができたとしても、どこでどのようにコロナウイルスに感染するかわからないので、外に出るのは危険だとも言っています。
当然ながら物価が通常よりも上がっているようですので、資金面でも厳しい状態なのではないでしょうか。現地のある学生は、マラウイ政府は中国にいる学生に給付金の上乗せを検討すべきだとも訴えています。
在中マラウイ大使は問題解決には時間がかかると警告しており、マラウイ外務省以上での検討となる生徒からの給付金上乗せについてはコメントを避けています。
マラウイ政府の新型コロナウイルスへの対応
マラウイの国際空港では、中国からの乗客に体温検査と全身検査を行っています。また、マラウイ国民には不要の中国渡航を避けるように通達しています。
今現在、日本やアメリカなど各国の行っているような自国民を退避させる施策については、2020年1月30日時点でマラウイ政府から発表はされてはいません。
在中マラウイ大使によると、武漢から離れたい人は自身で手配して出て行かなければならないとの事です。
中国当局は定期的に大使館側と連絡を取っており、落ち着いて、問題は収束するはずだと言われているそうです。
新型コロナウイルスに対する同僚の不安
2020年1月30日のニュースで、中国から渡航してきたマラウイ人1人がコロナウイルスの症状が出ているという事で隔離されたそうです。
これを聞いた私の職場の同僚( マラウイ人 )にコロナウイルスをかなり不安に感じている人がいました。
「マラウイにコロナウイルスが来たら、みんな死んでしまう。マラウイは先進国と違ってお金が無いし、医療も充分じゃないから対処できない」
確かに先進国に比べて、マラウイにコロナウイルスが来るとかなり流行するような気はします。栄養状態の悪い人は多くいますし、病院で適切な処置を受けられるかわかりません。また、衛生環境も日本にくらべるとかなり悪いので、感染が広まって死者が多く出ても不思議ではないと思います。
ただ、あまりにも不安がっていたので「手洗いうがいをして、健康でいれば死ぬことはないよ」と伝え、「SARSの時はマラウイ大丈夫だったでしょ」と言ったら納得して歌いながら帰っていきました笑(ちなみにSARSはマラウイに来ていなかったので、名前すら知らなかったようです)
まとめ
ニュース記事をまとめるとこのようになります。
・武漢市50人以上のマラウイ人が在住
・食料と資金が不足している
・食料が手に入りづらい状況
・マラウイ国内の国際空港では中国からの乗客に身体検査を実施
・2020年1月30日時点でマラウイ政府による退避施策の発表は無し
途上国ではウイルスに対する力が色んな面で弱いです。これ以上拡大しないように、一日も早い収束を祈ります。
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