アフリカ、マラウイの通貨である「マラウイクワチャ(Kwacha)」にはどのような種類があるのでしょうか?
世界各国それぞれ独自の通貨を持っていて、その国の特徴を表していると思います。
マラウイで使われている「マラウイクワチャ」について書いてみたいと思います。
私のマラウイ生活で得た個人的な経験ベースでお伝えします。
アフリカ、マラウイの通貨「マラウイクワチャ」とは?
アフリカ、マラウイで利用されている通貨単位は「マラウイクワチャ(Kwacha)」です。
イギリス領だったこともあり、以前は「マラウイポンド」を利用していたそうですが、1971年から「マラウイクワチャ」を導入しています。
クワチャ(Kwacha)とは現地のチチェワ語で「夜明け」を意味しおり、単位記号として、「MK」や「MWK」が使用されます。
参考までに2020年時点のマラウイクワチャのレートはこのような感じです。
USD1 = MK737.11
JPY1 = MK6.87
「クワチャ」ではなく「マラウイクワチャ」と言っていますが、これは隣国のザンビアでも同じ「クワチャ」を通貨として使っています。
ですので、「マラウイクワチャ」と「ザンビアクワチャ」で言い分けて使っています。
マラウイ国内で言う時には単純に「クワチャ」で大丈夫です。
ちなみにレートも全然違いますので、Googleなどで為替レートを調べる時には間違えないようにしてください。
ZK1 = MK40.39
紙幣はMK2,000、MK1,000、MK500、MK200、MK100、MK50、MK20と種類がたくさんあります。
硬貨はMK10、MK5、MK1の3種類です。
クワチャの下に「タンバラ」という単位があります。
実生活ではほとんど使われていません。電子決済などで小数点以下の金額のやり取りが発生しますが、「タンバラ」という言葉を使ってる人を見た事はないですね…。
「タンバラ」は「雄鶏」を意味しますが、これは夜明けを知らせる者としてつけられたそうで由来は「クワチャ」と同じですね。
では、それぞれの紙幣について見てみましょう。
アフリカ、マラウイの通貨「マラウイクワチャ」紙幣の種類
全て紙製で、偽造防止の為の細かいデザインや透かしも入っています。
MK2,000が少しサイズが大きめに作られているのですが、他の紙幣は同じだと思うので、視力に障害がある人には判別が難しいですね。
紙幣額が低くなるにつれて汚くなっていることが多い印象です。
利用される頻度が低額になれば必然と増えるということもありますが、基本的に農村部や低所得者は財布を使わないことが多いので破れたり、汚れたりしていることが多いです。
農村部で買い物をした時のお釣りで、原型がわからないような真っ黒なMK100やボロボロのMK20をもらうことがあります。
MK2,000はATMや銀行などでの取引か、給与や手当の支払いくらいでしか手にすることがないので、農村部や低所得層の人が長期間保有することはそんなにないのだと思います。
マラウイの紙幣の日本とは違う特徴の一つとして、2,000と200の紙幣があります。
あれば便利ではあるのですが、「2」という単位に慣れるのに初めは時間がかかるかもしれません。
はじめはよく数え間違ったりしていました。
私が生活でよく使う紙幣はMK2,000、MK100の二枚のような気がします。
マラウイの紙幣・硬貨はマラウイ中央銀行(Reserve Bank of Malawi)で発行されており、MK2,000を除いて、表面には人物の顔とマラウイ中央銀行の建物が印刷されています。
ちょっと変わったデザインの建物でリロングウェのシティ・センターにありますので、首都に行った際には見てみてください。
ちなみに、国内にあるNational Bank of Malawiはこのマラウイ中央銀行の市中銀行(一般市民向けの銀行)になります。
【マラウイの通貨】2,000マラウイクワチャ紙幣
最高額の紙幣になります。
表面の人物はジョン・チレンブウェというマラウイ植民地開放の英雄とされている牧師さんです。
「チレンブウェ・デイ」という祝日もマラウイにはあり、有名な人物です。
裏面はマラウイ科学技術大学です。
実際に言ったことがないのですが、とても立派な建物ですね。
建物の雰囲気から察する方がいるかもしれませんが、中国の支援によって建設されました。
【マラウイの通貨】1,000マラウイクワチャ紙幣
高額紙幣ではあるのですが、MK500紙幣に次いで手に取る頻度が低い紙幣のように感じます。
表面はマラウイの初代大統領カムズ・バンダです。
独裁色の強い大統領だったようで賛否ありますが、マラウイの分岐点となる大統領だったことは間違いないようです。
カムズ・バンダについても「カムズ・デイ」という祝日があります。
裏面はムズズにあるメイズの保存庫です。
メイズはマラウイの主食である「シマ」の原料となるとうもろこしの仲間です。
干ばつや洪水によって農作物の収穫の安定しないマラウイでは、このような巨大な貯蔵庫が国内に何か所か用意されています。
ちなみにマラウイ国内最大のメイズ貯蔵サイロはリロングウェ郊外のカネンゴという工業エリアにあります。
かなり大きいので見ごたえあります。
【マラウイの通貨】500マラウイクワチャ紙幣
個人的にはあまり手元に回ってこない紙幣No.1です。
表面はMK2,000と同じジョン・チレンブウェとなっています。
裏面はゾンバにあるムルングジ・ダム(Mulunguzi Dam)が描かれています。
一度だけゾンバプラトーに行った際に見た事があるのですが、一見するとただの大きな湖でした。
南部の水供給に大きく貢献しているそうです。
【マラウイの通貨】200マラウイクワチャ紙幣
表面はマラウイ独立運動で活躍した女性政治家のローズ・チバンボです。
MK200紙幣は何かと便利です。色も青で分かり易いです。
裏面はリロングウェにある国会議事堂になります。こちらも中国の支援によって作られています。
ここも一度入口のゲートまで見に行ったことがあるのですが、かなり立派です。
許可が取れれば中の見学もできるそうです。
【マラウイの通貨】100マラウイクワチャ紙幣
表面は民族運動で活躍した、アフリカニアサランド会議の創設者のジェームズ・サンガラです。
この100クワチャ紙幣あたりからダメージが大きくなっていくイメージです笑
裏面はブランタイヤにあるマラウイ医科大学です。
訪れたことがあるのですが、とても近代的な大学です。
【マラウイの通貨】50マラウイクワチャ紙幣
表面の人物は民族指導者だったゴマニ二世です。
MK20に描かれているンベルワ二世と共に民族指導者となるのですが、北のンベルワと南のゴマニで民族間のバランスを取るのにこの二人が紙幣に印刷されているとも言われています。
裏面はリロングウェから北に1.5時間ほどのところにあるカスング国立公園です。
マラウイにはいくつか有名な(観光にもお勧めできる)ナショナルパークがいくつかあるのですが、そのうちの一つです。
【マラウイの通貨】20マラウイクワチャ紙幣
表面にはマラウイの開発に尽力した民族指導者であるンベルワ二世が描かれています。
描かれている肖像からもわかるように、彼はいつも民族衣装を着ていることで有名だったそうです。
裏面はマチンガ教員養成校です。
国内に教員養成校はいくつか有名なものがあるのですが、なぜマチンガのものが印刷されているのかは不明です。
もしかすると、この紙幣の発行当時はセンセーショナルな設立だったのかもしれません。
紙幣の表面に描かれている人物全員に共通するワードは「独立」です。マラウイにとって国家としての独立がどれだけ重要なことだったのかというのがわかります。
また、裏面には国内の重要な産業やインフラとなる、政治・教育・医療・食料・水・自然について描かれており、マラウイの基礎となっている分野を伺うことができます。
では次にマラウイクワチャ硬貨にはどのようなものがあるのでしょうか?
アフリカ、マラウイの通貨「マラウイクワチャ」硬貨の種類
基本的に都市部で生活していて、スーパーマーケットなどで買い物をする場合はあまり硬貨を使わないかもしれません。
私もローカルのマーケットで買い物する時か、ミニバスに乗る時くらいしか使っていないと思います。
実際に都市部のスーパーマーケットで買い物をすると、MK20未満は切り上げられたり、切り捨てられたりします。
(いまいちこの辺のさじ加減がいまだにわかりません…)
どちらが表面なのかわからないのですが、硬貨の片面はマラウイのエンブレムが彫られており、反対側の面がそれぞれのデザインが施されています。
MK10、MK5、MK1コインが存在しています。1/100クワチャであるタンバラのコインもあるのですが、使われているところを見たことがありません。
たまに気が付くと財布に入っていたりするのですが、たぶんクワチャと間違ってどこかで渡されたのだと思います笑
【マラウイの通貨】10マラウイクワチャ硬貨
像が描かれています。
マラウイでは、いわゆる「アフリカ」的な動物があまり「見ることができない」ことで有名です笑
大きな動物というと像かカバだと思います。
そこで像を選んだのかもしれません。
【マラウイの通貨】5マラウイクワチャ硬貨
コウノトリです。
なぜコウノトリなのかわわかりませんが、川や水辺にいくと見ることが多いかもしれません。
MK5硬貨だけ丸型ではなく、7角形の形になっています。
【マラウイの通貨】1マラウイクワチャ硬貨
手元に1クワチャ硬貨の実物がありませんでした…。
ワシが彫られています。
マラウイの国鳥がワシの種類なのでワシが描かれているのだと思います。
マラウイ警察のエンブレムにもワシが使われいますが、こちらは国鳥というよりは「監視」や「権力」の意味合いで採用しているのだと思います。
まとめ
日本よりも紙幣の種類が多いマラウイクワチャですが、実生活において硬貨を使うことはあまりないと思います。
観光でマラウイを訪れるのであれば、なおさら使わないと思います。
MK200やMK2,000など、日本円にはない単位のお札があるので、慣れるまで数える時に混乱することがあるかもしれませんね。
また、少額紙幣になると汚くなっていく傾向があるので、MK50とMK200、MK20とMK100の紙幣の色が似ていて間違うことがあるかもしれません。
その国の通貨を見ると、国の根幹となるものが見えたりします。
マラウイに来た際には、手にしたマラウイクワチャを眺めてマラウイの歴史と文化を感じてみてください。
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