アフリカ、マラウイでの長距離交通手段の一つとして「ビッグバス」があります。日本でいうところのハイデッカーバスになります(高速バスや観光バスのようなタイプ)。
中~長距離だと「コースターバス」もあります。日本でいうマイクロバスになります。
これらのバスについて、乗り方や料金システム、路線などについて書いてみようと思います。
「ミニバス」についてはこちらの記事を読んでみてください。
私のマラウイ生活で得た個人的な経験ベースでお伝えしたいと思います。
アフリカ、マラウイの都市間バスとは?
アフリカ、マラウイの国土は南北に細長く、中央には最も人口の多い首都リロングウェがあり、北にはムズズ、南にはブランタイヤという大都市があります。
この三つの都市間を移動する際には、自分で車を運転しないのであれば、庶民的なミニバスやシェアタクシーを利用する事ができますが、私のお勧めの移動手段はビッグバスやコースターバスになります。
その特徴をいくつか挙げてみます。
料金が高いが早く着く
ミニバスやシェアタクシーを使用しても都市間の移動は可能で、ミニバス、シェアタクシーはビッグバスやコースターよりも料金が若干安いです。
しかしながら、ビッグバス、コースターの方が到着が早い事が多いです。ミニバスやシェアタクは、途中で乗客の乗り降りが頻繁にあるので結構時間がかかります。
リロングウェ・ブランタイヤ間で言うと、ビッグバスが4.5時間~5時間、ミニバスだと5時間~6時間ほどかかります。
料金が安いといってもMK1,000~2,000程度ですので、長距離を移動するのであれば迷わずビッグバスやコースターの利用を勧めます。
ビッグバスは基本的に定時出発
コースターバスはミニバス方式で乗客が満員になったら出発するのですが、ビッグバスは空席があっても定時出発します。
時間にルーズなアフリカにおいては驚きのサービスです笑
座席がちゃんとしてる
ビッグバスやコースターのメリットとして、座席がちゃんとしているので疲れにくい、というのもあります(個人的にはこれがビッグバスに乗る一番の理由)。
5時間~6時間のミニバス移動は今となっては慣れてしまいましたが、少しの料金を上乗せしてちゃんとした座席に座れるなら私はビッグバスを選びます。
国内には多くの都市間を走らせているバス会社がありますが、その中でも信頼のできて使いやすい4社を紹介したいと思います。
アフリカ、マラウイの都市間バスの運営会社
マラウイの都市間バスを運営するバス会社4社を紹介したいと思います。
私の知る限りの乗降場所も紹介していますが、紹介されている場所以外でも指定された場所で乗り降りできますので、詳細は各バス会社に問い合わせてください。
SOSOSO COACHES
SOSOSO COACHES
https://sososocoaches.com/
SOSOSO COACHES | Facebook
https://www.facebook.com/pages/category/Travel-Company/SOSOSO-COACHES-298451330615678/
価格、サービスなど総合して、私が一番お勧めするバス会社です。
南はブランタイヤからリロングウェを経由して北のカロンガ(Karonga)まで運行しています。カロンガはムズズよりも北にある街で、タンザニアの手前にあります。
SOSOSO Coachesの運行ルート
カロンガ~リロングウェ~ブランタイヤ間で路線運航しています。
私の知る限り、マラウイ国内の長距離バスで一番路線数と運行数の多いバス会社だと思います。
SOSOSO Coachesの乗降場所
個人的にSOSOSO Coachesをよく使っていたので、私の確認している限りの正確な乗降場所をお知らせします。
北のカロンガから順に南に下っていきます。
SOSOSO Coachesの料金
個人的にはサービス内容や車両を考えるとリーズナブルな価格だと思います。
この料金以外にリロングウェ⇔ブランタイヤ間MK6,000のバスも存在しています(リロングウェ・ムズズ間は未確認です)。
自由席のバスとなり、早く乗車すれば座れるのですが、
席がなくなると、立って乗らなければならなくなるそうです。
SOSOSO Coachesの事務所位置
チケットは電話でも取れますが、直接行って購入もできます。
見つけにくいのですが、看板が出ているのでしっかり探してください笑
リロングウェ事務所入口のゲート ゲートから奥に進んでいくとある建物の1階に事務所
AXA Coaches
AXA Coaches | Facebook
https://www.facebook.com/axacoachmalawi/
残念ながら私はAXAのバスを使ったことがありません。
(同僚の家族がAXAのバスが横転する単独事故に乗車していたので、印象が悪くて使っていませんでした…)
詳細な情報があまりありませんが、ネットや友人からの情報をまとめています。
私の同僚の話を聞く限りだと、AXAも評判の良いバス会社です。
AXA Coachesの運行ルート
AXAもカロンガ~リロングウェ~ブランタイヤ間で路線運航しています。
AXA Coachesの乗降場所
残念ながらカロンガの乗降場所はわかりませんでしたので、ムズズから南へ下って行きます。
AXA Coachesの料金
バスのグレードによって料金が異なります。
グレードによって車体の設備(USBポートなど)が違ったり食事のついているものもあるそうです。
AXA Coachesの事務所位置
チケットは直接行って購入ができます。
電話で取れるという情報は手に入れる事ができませんでした。
Post Bus
Post Bus
http://malawiposts.com/postbus.html
Post Bus | Facebook
https://www.facebook.com/pages/category/Travel-Company/Malawi-Posts-Corporation-Bus-Services-117217379686702/
2019年にサービスを開始した比較的新しいバスで、国営の郵便事業社が運営するバスになります。
サービス開始後すぐに深夜バスでの事故が相次ぎ、評判はすこぶる悪いのですが、他の3社の都市間バスよりも価格が若干安いです。
新しいバスですので、料金・サービス内容などが変更される可能性がありますので、詳細は問い合わせてみてください。
Post Busの運行ルート
ムズズからブランタイヤまで運行しています。
Post Busの乗降場所
私の知る限りでの乗降場所は以下の場所になります。
Post Busの料金
他の3社より若干安い料金となっています。
Post Busの事務所位置
各3都市のPost Officeが事務所となります。
Kwezy Buses
Kwezy Buses
https://www.kwezybuses.com/
Kwezy Buses | Facebook
https://www.facebook.com/kwezybuses/
私の知る限りでは一番料金の高い都市間バスになります。
高所得者には人気のようですが、個人的になぜ料金が高いのかはよくわかりません…。車両によってUSBポートがあったり、WiFiがついていたりするようです。
Kwezyのバスにはそれぞれ鳥の名前がついていて、車体側面に書いてあります。もしどこかで見つけたら名前を探してみてください。
Kwezy Busesの運行ルート
ムズズからリロングウェ経由でブランタイヤの間を運行しています。
Kwezy Busesの乗降場所
乗降場所は以下の場所になります。
Kwezy Busesの料金
他のバス会社よりも料金が高いのですが、往復料金や子供料金が用意されているのが特徴です。
Kwezy Busesの事務所位置
乗降場所となっているところに事務所があります。
以上、お勧めのバス会社4社となります。
それでは、実際にチケットを取る際にはどうしたらよいのでしょうか?
アフリカ、マラウイの都市間バスのチケットの取り方
残念ながらネット予約をしているバス会社は、私の知る限りありません。
※一時期Borneo Coachesというバス会社がネット予約のようなもシステムを取り入れていましたが、結局事務所へ行ってチケットの受け取りのような事をしなければならなかったので、正確にはネット予約とは言えないと思います。
基本的には事務所に行って取れば間違いありません。
バス会社によっては電話でチケットが取れる場合があります。SOSOSOとKwezyは電話でチケット予約をして、電子マネー決済や銀行口座振り込みで支払い可能です。
予約無しで当日に乗る事もできます。料金は変わりません。当然ながら席が埋まっていれば乗れません。
逆に、事前予約した時に満席だったとしても、当日にキャンセル待ちをする事もできます。
一度購入したチケットは便の変更もできます。変更ルールは各社異なりますので、問い合わせてみてください。
アフリカ、マラウイの都市間バスで起こる事
やはりマラウイですので、立派なバスに乗っていようとも色々なハプニングが起きます。その一例を紹介したいと思います。
お祈り
バスの発車前に牧師さんが車内でお祈り(というか説教かな)をする事があります。かなり熱く、大声で何かを訴えています。
基本的にチェワ語なので何を言っているのか全然わかりませんが、怒ったりしているわけでは無いので、見かけても驚かないでください笑
マラウィアンミュージック
車内にはテレビがついている事が多いのですが、ほぼ間違いなくずっとマラウィアンミュージックかゴスペルが流れています。
ちなみに私のお気に入りの2曲これです。
スナックが出る
リロングウェ・ブランタイヤ間とリロングウェ・ムズズ間ではスナックが出ます。
午前の便であれば飲み物に加えて、サモサやマンダシ、またはお菓子などがもらえます。
警察の点検
ザレワのロードブロックでは、必ず大型バスやミニバスは警察に止められて検査を受けます。
必ず毎回ではないのですが、客席まで点検する事がよくあるので、その際は乗客全員が降りなければなりません。
爆走
都市間バスはよくスピードを出します。
マラウイに高速道路というのは無いのですが、大きなバスが一般道を100km以上で走ります。
日本のような綺麗で広い道路ではなく、細くて状態の悪い道路を100km以上で走るのは、初めはかなり怖かったです。
道以外にも怖い事があります。
ムズズから数km南のあたりや、デッザのあたりは霧が出やすいエリアなのですが、霧が出ていてもスピードをそれほど落としません(たぶん視界20~30m程度でも50~60kmくらい出してると思います)。
以前に私の乗っているバスが、霧の中を走っている時に突如停止していた前方の車の手前で停止できず、路側に突っ込んだ事があります…あれはかなり恐怖しました。
事故
上記のような運行状況ですので、数カ月に一度は事故のニュースを見かけます。特に夜間が多いような印象です。
これは都市間バスに限った事ではなく、ミニバスや自家用車でも事故は多いです。
運転技術やリテラシー、車の整備状況や道路の管理状況などが理由で、日本より事故の多い環境だと思います。
吐く人がいる
長距離バスに乗ると、車酔いで吐いてる人をよく見ます。
長距離のバス、または自動車自体に乗り慣れていないという事もあると思います。また、マラウイの大型バスは、道が悪い為にサスペンションがかなり緩く設定されているような気がします。その為、道路の凹凸やカーブなどでかなり揺れてしまいます。
私は車に乗っていても本が読める人なので大丈夫なのですが、特別車に弱いわけではない日本人でも、気持ち悪くなる人はいるようです。
アフリカ、マラウイのその他の都市間バス「コースター」
都市間バスはいわゆる大型バスなのですが、もう少し小さい「コースター」バスもあります。マイクロバスですね。
中~長距離の都市間バスになります。紹介した大型の都市間バスよりも少し安いのですが、ミニバスと同じような形で予約制ではなく、乗客が満席になったら出発するシステムになっています。
リロングウェ・ブランタイヤ間の料金で言うと、SOSOSOはMK8,000ですが、コースターだとMK6,000~7,000くらいです。
リロングウェとブランタイヤのコースターが出ているバスデポは以下の場所になります。
このバスデポからはコースター以外にもミニバス、シェアタクシー、紹介した以外の大型の都市間バスも出ていたりします。
アフリカ、マラウイのビッグバスとコースター以外の交通手段
ビッグバスやコースターバス以外のマラウイでの移動手段は以下のようなものがあります。
- カバザ(自転車、短距離)
- トゥクトゥク(都市内)
- バイクタクシー(中距離)
- タクシー(短距離~長距離)
- ミニバス(都市内~長距離)
- シェアタクシー、ヒッチハイク
(郊外~長距離)
ちなみにトゥクトゥクは首都でしか見かけた事がありません。
ミニバス、タクシー、カバザについてはこちらの記事を読んでみてください。
国境を超える長距離バスも何社かあり、インターケープ(Intercape)が有名です。ブランタイヤだとWenelaの向いに事務所と乗降場所があります。
Intercape
https://www.intercape.co.za/
まとめ
マラウイには都市間バスの選択肢は多いですが、快適さや使い勝手を考えると選択肢は限られてきます。
個人的には乗降場所でバスを決める事が多いかもしれません。
料金を考えるとミニバスやシェアタクシーでも良いのですが、リロングウェ・ブランタイヤだと4時間半~5時間、リロングウェ・ムズズ間だと5時間半~6時間かかりますので、時間を考えると大型バスで時間を有効利用したいと思ってしまいます。
マラウイで都市間移動をする際には、ぜひ都市間ビッグバスを利用してみてください。
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